harutanaoki's blog

シンガポール在住 春田直樹の日記

「シンガポール釣行紀 ~船上1泊2日・南シナ海遠征(前編)~」

いやいやどうも。

遅くなりましたが、先日の船上1泊2日、南シナ海釣行のことを。
 
当日の朝、エディーから朝ご飯一緒に食べてから行こうと言われ、
もう自分の朝食は前もって準備してたし、完全に港と逆方向なんですが、
「仕方ねーな、コーヒーだけ付き合ってやるかー」と思い、とりあえず迎えに行くことに。
 
さらには気合が入ってるのか、
「6時45分には来て欲しい、いや、6時30分だな、タクシー捕まらずに遅れたりするとマズイから。」
と追い討ちをかけてくるほど。
距離から考えて「んなこた無い。」と思いつつも、6時30分に待ち合わせ場所に到着。
 
ところが待てど暮らせどエディーは現れず、最終的にエディーが姿を見せたのは7時10分。
多少のイラだちを覚えつつ、「なに、寝坊したの?」と聞くと、
「いやー色々と準備があったからさー」と。
 
・・・・。
シャーシャーと何を抜かしてやがると。
真夏のクマゼミ以外に、そんなシャーシャー言うやつ聞いたこと無いぞと。
アブラゼミですらジージー言っとるぞと。
こちとら無駄に早起きして約束の時間に到着して、一人ちびちびコーヒー飲んどると。
その間のやるせなさったら、分かるかと。
 
その40分で得たものと言えば、ひたすら食堂のテレビに映ってるタレントが、
マツコデラックスと島崎和歌子を足して2で割った顔に等しいって事実と、
「男女だから現実的には子供生むこと出来るわけか。いやいや、逆にそれは現実的に有り得ないわ。あの二人がどうこうってのは絵的に無いわ。」
という、マジ誰も耳を傾けてくれないであろう、しょーもない結論だけだったぞと。
 

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しかも、
「イチオー確認だけど、船酔いとかって大丈夫?あれって結構キツイじゃん?」
などと、中々の上から目線で聞いてきやがる。
何を言っとんだと。
こちとら物心ついた頃から、土佐は高知の荒波に揉まれてきとんだぞと。
船酔いなんてほとんど記憶にねぇわと。
もはや母親の羊水にいた時点で、すでに結構な荒れ模様だったわと。
しかもそれを、釣りに飽きて国境付近でムエタイ始めるやつに言われたかねーわと。
 
いやしかしね、今日は楽しい一日にせねばならんということで、スルーしましたよその辺りは。
もういい年した大人ですからね、私も。
 
 
そんなこんなで港に二人で向かいまして、船に乗り込みました。
続々と参加者が到着し、挨拶を交わしつつ、談笑しつつ、出航を待ちました。
インド系、マレー系、中華系、計11人の色んなシンガポール人がいましたが、
釣り船で日本人と会ったのは、皆初めてとのこと。
シンガポールにいる日本人は、恐らく日本人同士で遊びに行ってるようだ。
 
エディーも、よく聞いてみれば海外遠征は初のようで、かなり楽しみにしていたらしく、
昨夜はあまり寝れなかったとのこと。
ナーッハッハ、まぁそれが原因で若干寝坊したと言うなら、カワイーもんじゃねぇか。
朝の一件は許してやろうってもんですよ。
 
まもなく、船は港を出航。
チャンギ空港を背に、巨大タンカーが並ぶマラッカ海峡をズバズバと切り裂いて行きました。
途中、国境警備船にパスポートを提示し、いよいよマレーシアに入国。
初めてのマレーシア入国が海からとは、えらく渋い響きじゃねーかよーと、一人浸っておりました。
今後、履歴書の経歴欄には、「2014年1月4日 マレーシア入国、海上より。」
と、一行添える予定です。
 

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それにしてもポイント到着まで何時間かかるのか。
もう4時間は経ってる。
風は強くなり、海も荒れてきた。
波しぶきを避けるべく、一人、また一人と、船室に入っていく。
船室内にはテレビあり、エアコンあり、ベッドも10人分あるという、予想以上に立派な船。
到着までの時間、寝て過ごす者あり、テレビを見て過ごす者あり。
 
出発から6時間が経ち、最も揺れが激しくなった頃、船がスピードを緩め、
さぁいよいよだと釣り人達が準備を始める。
エディーは船室から出てこなかったが、また色々準備してんだろーよと、さして気にも留めず。
 

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そしていよいよ釣り開始。
揺れる船の上に、熱気がみなぎる。
すぐに何匹か上がった。
僕も釣れかけたけど、途中で逃げられた。
上げてみたら、エサが半分齧られてた。
くっそー・・・・・・・・。
 
すぐに当たりはピタリと止んだが、一発目からこれなら、今回は期待できると気分も上々。
そしてポイントを変えるため、船が走り出した頃、やっとエディーが船室から出てきた。
 
「あら・・・?」
 
生まれたての小鹿のように足腰がプルプルしている。
 
「あらま!ど、どした・・? 怪我でもした?」と思ったが、顔色を見てすぐ分かった。
 
完全に船酔いしてる・・・。しかもズッポリと・・。ズッポリコラショと・・・。
 
地獄みたいな顔で、プルプルと自分の竿の方に向かうエディー。
竿より自分の方がプルプルしてるじゃねーかと。
でも、とりあえず釣る気はあるらしい。
 
「大丈夫か?」と声を掛けるも、顔は地獄のまま変化無し。
「いやいや、ユアフレンド、明らかに大丈夫じゃないっしょ!」と、
近くの兄ちゃんに半笑いで突っ込まれる始末。
彼の名はデビッド、今回の幹事だ。超元気でハイテンション。
 
それにしても、まだ釣りは始まったばかり。
「ヤベー、連れてくるべきじゃなかったか・・。」
と不安になるも、もう港を出ちまったら最後まで耐えてもらうしかない・・。
 
次のポイントに到着し、皆は釣り始めるが、エディーは竿の前でうずくまったり、
海に顔を出してマーライオンと化したり、とてもじゃないが釣りにならない。
しばらくして、突然僕の真横にやってきて釣り始めたかと思いきや、その直後にマーライオン。
5分おきにマーライオン。
 

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僕が風下にいたため、色々とマーのしぶきが飛んでくる。
「チョイチョイチョイチョイッ!」と飛び退きつつも、そんな地獄みたいな顔した人間を
これ以上責めることもできず、もう気の済むまでマーしてくれと・・。
 
その後何度かポイントを変えるも、一向に魚は釣れず。
エディーはあれから1時間後には船室に戻り、そのまま姿を現さず、
たまに船室に入って顔色を覗いてみれば、生気のかけらもないふにゃふにゃの顔してる。
一瞬、ベッドにデカイ「なまこ」が寝てるかと思いましたよ。
もはや船酔いだけじゃなく、株価が暴落して全財産を失ったとか、
何らかのプラスアルファすら感じられました。
 

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そのまま夜の12時を回り、気温は下がり、雨まで降ってきた。
屋根があるからそこまで濡れないが、もう今日はダメだなと、皆がゾロゾロと船室で
休み始めた。
僕もいい加減休もうかと思いましたが、せっかくの海外遠征なのにもったいないと、
そのまま釣り続けることに。
僕と、インド系、中華系シンガポール人の3人で、真っ暗い海の上、
タンカーの明かりを遠くに眺めつつ、黙って静かに釣りを続けました。
 

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全く何の当たりも無いまま時は過ぎ、2時を回った頃、
「もう限界。一旦仮眠しよう」と船室に入ろうとした時、フラリとなまこ、いやエディーが現れた。
12時間ぶりにエディーが立ってる・・。
 
「釣るの?」
「うん・・・。」
「あれから結局全然釣れてないよ・・?」
「うん・・・。」
 
釣るつもりらしい。
波も静かになったし、酔いも少し収まった様子。足腰のプルプルも収まってる。
せっかく来たんだし、寝っぱなしはもったいないよなと。
釣れなくても、寝てるよりはよっぽどましだよなと、僕は船室に入りました。
 
船室に入れば、全員がすっかり寝息を立てつつ、完全にのんびりモード。
僕も空いているベッドで横になって、眠りに落ちました。
 
2時間ほど経った頃のこと。
妙な胸騒ぎがして目が覚めました。
 
全員熟睡中のため、音を立てないように気をつけながら、船室から出てみることにしました。
 
<続く>