「常夏の国の隅っこで、ハムを叫ぶ」
どもども。
今年も終盤、年末ですなーと言いつつも、全く実感が湧かない近頃。
そりゃそうだ、全然気温は下がらないし、マフラーとかコートとか見かけないどころか、
街はいつも通り短パン・サンダルだらけ。
いや実際ね、冬が近づくたびに、
「やっぱ女子は冬服っしょ。コートにブーツで決まりっしょ。」
なんつって、学生時代、男同士集まっては語り合ってましたよ。
とはいっても、その数ヶ月前には、
「キャミとか実際ほぼ水着だかんなアレ。そう考えると夏、狂ってるっしょ。」
などと熱い議論を交わしていたのも事実ではあります。
スゲーのいたから、ほんと。うちのキャンパス・・・・。
正直、20メートル離れたうしろ姿しか見てないんですけど、
最初の0.5秒、ほんと「ついに全裸出た」と思いましたから。
「オバケ出た」ぐらいの勢いありました。
んなわけないと思って目を凝らしたものの、今度はボンレスハムにしか見えない。
この世に生を受けて、それまで見てきたあらゆるモノの中で、最も近かったのが、ボンレスハム。
中でも伊藤ハム。
いやもっと言えば、伊藤ハムですら、まだまだ甘いってぐらい凄かった、あのヒモ具合は。
なぜって伊藤ハムは、縦ラインにもヒモ使ってますから。
ところがあの女子、横ラインしかヒモ使ってなかったですから。縦、はぶいてますから。
ハムだったら絶対耐えられないです。確実にカタ崩れてますコレ。
「家庭用にはギリだけど、贈答用にはちょっとねー」ってことになってます。
もしあの女子が伊藤ハムに就職してたら、確実にハムの製法変わってたよねって、そんなレベル。
肉食系女子どころの騒ぎじゃないですから。
ましてや中島みゆきの名曲「糸」なんて、あの女子には全く響かんかったやろなって。
「アタシ縦の糸、いらないけど、いる?」って、サラーッと言い放つんやろなって。
そんでタバコの煙スパーッって吹くんやろなーって。横向きにスッパーッって。
そんでガチガチのまま、オレはその縦の糸、有難く受け取ったんやろなーって。
「で、でも、よ、よろしーんでしょうか。」なんつって。
そんで男友達んとこ行って、
「ジッサイ、横の糸もあげるって目ぇしてたけど、軽くスルーしといたわー。あれ、マジの目だったわー。」
ってホラ吹き回ったんやろなーって。
いやね、今だったらそんな女子見ても、オ、オーッ・・・て多少の胸騒ぎが起こる程度ですよ。
しかし当時、二十歳そこそこですよ。ほんと腰抜けそうになりましたから。
もはや興奮とかじゃないですね、茫然自失。そのまま立ってるのがやっとの状態。
自信無くしましたもん、すげー奥の方の自信。
じっちゃんとかそれぐらいの世代から蓄積されてきた、自信。
金田一少年が「じっちゃんの名にかけてー!」って言うときに使う、あの後半に湧いてくる自信。
あっさり崩れ去りました。
「東京ってスゲー・・」って、「ムリかもー」って。
だから今でも、こうして憶えてるわけですよ。
「この曲がり角出たら、あそこに立ってたんですー。ハムみたいな人がー。」って、
事件が起きた後の住民ぐらい細かく説明できます。
ほんとあのハムの人は凄かった。
僕にとっては、別所哲也よりも阿部寛よりもよっぽど、あの女子の方が「ハムの人」ですから。
実はその数年後、友人の結婚式で見かけたんですよ、ハムの人。
うわハム出たっ、と思って、
「あの人ってハムの人だよねー!?」って聞き回ったんですけど、みんなポカンとしてました。
「さっきの料理に使われてたハムの会社の? 営業の?」みたいな顔されました。
確かにその日は冬で、その女子もハム感は皆無でしたし、学校の卒業と同時にハムも卒業したのかなーって。
そっか伊藤ハムは伝承されても、こっちのハムは伝承されないのかーって思いましたね。
いやそんでね、話戻しますけども、こちらは全然年末感が無いですよってやつ。
祝日も12月25日と1月1日しかないから、大晦日も普通に出勤で、2日からはまた出勤ですわ。
でも街そのものに年末感無いですからね、あまり違和感も無いわけでして。
そういう意味では、日本の四季ってのは、本当、お金もかかるし、面倒なことも多いけど、
色んな恵みあるよなーって思います。
なので、人生何が起きるか分かりませんから、女子も男子も、ほんと冬服、楽しんどいた方が良いよーって話。
いつ短パン・サンダル中心の国に住みだすか分かりませんから。
そんなわけで、今回も有難うございました。
次回は12月29日に更新致します。
それでは皆さんごきげんよう!