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harutanaoki's blog

シンガポール在住 春田直樹の日記

NHKスペシャル「終戦 何故早く決められなかったのか」

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またもやNHKスペシャルということで(笑)、久々に戦争系のものに触れました。

幕末と同じく、色んなドラマがあって興味深いですね、この時代は。

 

さて、今回観たNHKスペシャル(初回放送は去年)は、

「ソ連の対日参戦の情報を大本営の上層部が共有していれば、

もっと早く終戦を決められたはずだ」というのがザックリとしたテーマでした。

 

出演者は姜尚中さん、加藤陽子さん、岡本行夫さんって方々。

TVでこういう内容のものを見ると、大抵その出演者の会話の内容に、

デカイ「?」が浮かぶもんで、今回もある種の残念さはありました。

 

 具体的にどの点に「?」が浮かんだかってことは今更って感じもして、

細かく書く気にもならないので大雑把に言ってしまいますが、

「緊迫した非常事態においての組織の問題や判断の質を、

平時の感覚をもとに論じる」ってのは、全く無意味だと思うわけです。

 

 身近なことで言えば、普段はスンゲー評判の良い人が、

非常事態になった時には思考停止して何のアクションも取れなかったり、

逆に普段はメチャメチャ嫌われてる人が、非常事態には妙に頼りがいがあったり、

置かれた環境によって、人間も組織も全く違う表情を見せるってことがあると思う。

 

そういった大前提を抜きにして戦時中の異常性や過ちを検証しても、

もはや学者さんのお遊びにしか過ぎんのじゃないかな。

(というより、そういった大前提を目の前にすると、

もはや語ることが無くなって仕事を失うという「非常事態」に発展するのかな笑)

 

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だからもし「今」、戦時中のことを検証するならば、

現代の非常事態、すなわち自分達の身に起きた非常事態と比較して検証しないと

意味が無いと思うわけです。

 

その非常事態というのは言うまでも無く、「3.11」であり、

その際の政府、メディアの対応、そして国民の行動や反応こそ、

比較して検証すべき「最新」の、貴重な「データ」です。

 

こんなにも最近、非常事態が起きたというのに、

未だに震災前と同じ調子で戦時中を検証しているというのは、

僕にはちょっと分かんないですわ・・

(そうすると矛先がメディアにも向くってのは大きいんだろけど)

 

でね、番組では「戦時中の日本政府の組織にどのような問題があったのか」

という見方をするわけですが、そもそも、昔(戦時中)の政府と、今の政府の

「非常事態に対する組織力」を比較したら、昔の政府の方が絶対優れてるはずです。

 

なぜなら昔の政府の方が、非常事態そのものに「慣れてる」からです。

しかも圧倒的に。

  

それは、その頃の年表をめくってみれば、あまりに明らかなことです。

 

1894年に日清戦争、1904年に日露戦争、1931年には満州事変が起き、

その後の第二次世界大戦に繋がっていきます。

 1894年の日清戦争から1945年の終戦までは約50年。

その50年の間に3回の戦争が起き、年数にすれば約20年間(!)、

日本は他国との戦争状態にありました。

(こんな時代に生まれなくてヨカッター笑)

  

「技術」レベルも上がって、「情報」も圧倒的に入手しやすくなった

現代の感覚から見れば、劣って見える点もあるかもしれませんが、

国全体の「組織力」「対応力」みたいなものでは、全くレベルが違うと思う。

そうじゃなきゃ、もっと早い段階で負けて大国に占領されてます。

 

たとえば震災の時に、被災地での自衛隊の活躍は凄かったと言われます。

彼らは常に非常事態を想定し、それに対応するための訓練を積んでいます。

だからこそ、想定外の状況においても任務を的確にこなすことができる。

昔の政府と今の政府の対応力の差は、大袈裟でなく「自衛隊」と「一般人」ぐらい大きいと

捉えていいんじゃないかと思います。

 

ま、世界的に見てもかなり高いレベルにあったからこそ、

全面戦争にまで発展するという悲劇も起きたわけですが・・・

 

 そんなわけで、ただ昔のことだけゴチャゴチャ掘り起こしても意味ないし、

それより今の世代、すなわち「戦後」について検証しまくった方がいいと思うわけですよ。

そんで、その上で「3.11」より遥かに長期的で、

過酷な非常事態である「戦争状態」に対応した世代から学ぶべきことは何なのかと。

それを探るために、その時の政府を検証しようじゃないかと。

どうせならそういう角度で過去を検証したが「実践的」だと思うし、

「必要に迫られてる」とも思うんですけども。。

 

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あと番組後半でね、岡本行夫さんって方が

「私たちはもうああいうことはしません。平和国家になります。

一切武器を持ちませんって決めて、ずーっと来てるわけですね・・」

ってサラッと言うんですよ。

 

よく聞くフレーズですよね。

これまでのメディアの歴史観を象徴するようなフレーズです。

「ああいうこと」ってのは、もちろん前の世代の「戦争」のことを全体的に示していています。

でもね、こういう話っぷりをする人には、「ある視点」が決定的に欠けてると思うんです。

 

それは、 “自分達の世代もまた、次の世代から、

「私たちはもうああいうことはしません」って言われる世代なのかも知れない” ってことです。

それを自らに問いかける視点を持っていたら、

「3.11」のすぐ後でこんな風にサラッと言えないですよ。

戦後がそれほどご立派な時代ではなかったというのは、今や言うまでもないことだと

思うんだけどな。

 

「過去の反省活かしてグイグイ進歩してる気になってたけど、実はオレ達、アホだったの?」

って自分達の足元を見直す最大のきっかけが、「3.11」だったと思いますしね。。

(アホでしたって認めないと、次に賢くなれんわけですよ)

 

ちなみに「3.11」が起きてその翌日ぐらいだったか、自宅でTVを眺めながら、

ふいに「戦後ってのはここで一区切りになるのかな・・」って思いました。

ここからは戦後を見直していく新しい時代に入って、未来の歴史の授業では、

「終戦から3.11まで」を「戦後」って教えたりするのかな、とか。

 

でも今回の番組を観て、「あ、でも時代ってすぐに変わるわけないか」と、思い直しましたよ。

少しずつ、変わっていくんだろうと思います。

 

そんな感じで、今日はこれまで!

読んでくれて有難う! ではではー